極楽浄土に思いを馳せる  2018年08月01日

 日本各地で猛暑が続いております。「来年になったらもっと暑いのではないか」と20年前、笑い話だったのが笑えない状況になってきました。この暑さどれほどまでになっていくのか心配です。

 浄土宗が目指す場所は極楽浄土です。極めて安楽に過ごすことができる国という意味です。なぜなら、極楽浄土には、この猛暑がありません。暑すぎず寒すぎず、私たちが過ごしやすい気候になっています。風も吹きますし雨も降りますが、心地よい程度なのです。暴風になることも豪雨になることもありません。また、私たちの心の内も穏やかな状態であり続けます。怒りや憎しみ不安、そういった心をかき乱すような感情は芽生えません。怒りや憎しみがないからこそ、争うことも戦争にまで発展することもないのです。今、皆さんの大切な方々は、まさに今その環境の元、平穏無事に過ごしていらっしゃるのです。たとえ、気性の荒かった人であったとしても、そこでは穏やかな方になっておられます。
私たちは、そんな平穏無事の生活を得られる術を知っています。それは、「南無阿弥陀仏」とお称えすることです。このお言葉で、私たちは阿弥陀さまに導いてくださるのです。

 安楽しかない極楽浄土に思いを馳せ、極楽浄土の住人に思いを馳せ、私たちは共々にお念仏を申しましょう。今は先行き不安な世の中ですが、そんな不安もこの世限りです。お念仏のある暮らしを今していれば、次の生涯は極楽浄土で過ごせるのです。
合掌