昨年のお盆、あるお檀家さんのお仏壇が折り紙などで華やかに飾られていました。それは、子どもたちが手作りした心のこもったお祀りでした。きっと、先立たれたおじいちゃんやおばあちゃん、ご先祖様も喜んでくださったことでしょう。
私の祖父母も今はお浄土にいます。祖父は寡黙で、祖母は優しい人でした。私は大好きな祖父母の影響で相撲や時代劇が好きになり、一緒に楽しく観た記憶が今も残っています。
当時、寺での葬儀が身近にあり「死」というものを敏感に感じていました。幼い私は、死がとても怖かったのです。夜になると時々死ぬことを想像してしまい不安になりました。そんなとき、祖父母は「阿弥陀さんがいてくれるから大丈夫」と声をかけてくれました。小学生の私には、その言葉の意味はわかりませんでしたが、なぜか安心できました。
お念仏を知った今、あの言葉を理解し、しみじみと噛みしめています。いつも祖父母を思えているわけではありませんが、お勤めの合間やふとした時に祖父母のことが思い浮かびます。そして、「阿弥陀仏のそばにいるんやなぁ」と感じ、「いつか会いに行くから」と心から思えるのです。お念仏を称えればその願いが叶うのです。
8月はお盆の月。お祀り事を通して、ご先祖様のことを振り返ってみませんか?きっと、今につながる大切な想いが見つかることでしょう。そして、それを次の世代へと伝えていく、それもまた、尊い仏縁のかたちだと思います。
合掌