寒さ越え山笑うころ春彼岸  2019年03月01日

 冬の景色と違い、春の景色はホッと安心します。緑が生い茂り、色鮮やかな花が咲き、蝶が飛び交う。そんな色鮮やかで躍動感に溢れている春は、私にとって毎年待ち焦がれる季節です。

 私は寒さが苦手です。年を重ねるにつれ辛さが増しています。「早く暖かくなって欲しい」と切に願います。2月後半になりますと、時には暖かい日があります。すると、もうすぐ春が来る、と嬉しくなります。誰であれ、苦しい環境に身を置いていると、そこから抜け出したいと思うはずです。最初は、独力で抜け出すことに必死になるでしょう。「どうすれば抜け出せるのか」と思案し、行動も起こすことだと思います。それでもどうすることも出来ないこともあります。そんな時、家族や仲間、先輩や上司の助けがあれば、私たちはその助けをありがたく受けとるはずです。
 私たち浄土宗信者は、ご先祖さまや亡き愛しい方の待つ極楽浄土を自分も目指します。それは決して独力では叶いません。阿弥陀さまにお助けいただいて叶うのです。お念仏申す私たちには、阿弥陀さまがいつでも救おうと見守ってくださっているのです。私は、その助けをありがたく受け取りたいです。

 浄土宗では彼岸とは極楽浄土を意味します。そこには冬の厳しさはありません。気候は穏やかで色鮮やかな花が年中咲いているのです。苦難の多い冬のような生涯を終えた後、念仏申す私たちは、待ち焦がれる春を迎えるように極楽浄土に生れられるのです。
合掌