見守られている幸せ   2024年12月02日

 振り返ると、子どもの頃は両親に見守られていたのだなと実感します。思春期には、その見守りが煩わしく感じることもあったでしょう。そして、大人になると、誰にも見守られていないと錯覚するのではないでしょうか。  私たち浄土宗信 […]

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共に願い 共に生きる   2024年11月02日

 大谷翔平選手が悲願のメジャーリーグ制覇を成し遂げました。記者会見では、チームメイトや奥様についても話されており、優勝を目指してチームメイトだけでなく、奥様とも一丸となって長いシーズンを歩んでこられたのだと実感しました。 […]

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同じ月を眺めている   2024年10月02日

子どもたちは満月を見ると、決まって「お父さん、今日満月やで!」と嬉しそうに報告してくれます。月は46億年前、地球とほぼ同じころに誕生したと言われています。その月は今も変わらず私たちに光を届けてくれています。 46億年前か […]

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西の彼方の確かな場所   2024年09月01日

 極楽浄土は正式には「西方極楽浄土」と言います。経典には、西の方角のはるか彼方にあると説かれています。時々、極楽が見えたらいいのに、と思います。見ることができたら、誰もが信じられるからです。  お釈迦様は35歳で悟りの境 […]

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墓掃除 清められるのは私   2024年08月02日

 仏教には自利利他(じり・りた)という教えがあります。簡単にいえば、自分のために他人のために、です。自分のためにしていることがかえって他人のためになっている。逆もまたしかりです。  お墓参りをされる時、まずお墓に水を流し […]

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周りを照らす人になろう   2024年07月01日

「憧れはやめましょう。今日一日だけは、やっぱり憧れると超えられないので、僕らは今日を超えるため、トップになるために来たので、今日一日だけは、憧れるのを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」 この言葉は、野球の世界大会 […]

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心の中も衣替え   2024年06月01日

 衣替えをすると、愛着ある服を手放すことになることもあります。その時、少し気分が下がってしまいます。ですが、それは同時に次の愛着ある服を手に入れる機会となるのかもしれません。 妻の「衣替えするで」という声かけで、うちの衣 […]

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比べなくても あなたはあなた   2024年05月01日

 サッカーの三浦知良選手は57歳で現役のプロサッカー選手です。現役選手は全て自分より若い選手。それでも三浦カズ選手はボールを追いかけています。「もっとできないかな?」と常に自分に問いかけているそうです。  私たちは比べる […]

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一心専念 弥陀名号   2024年04月03日

 伝統というのは有形・無形関わりなく色々受け継がれていくことです。伝統において大切なのは「想い」ではないのだろうかと思います。それが脈々と受け継がれていくからこそ伝統になるのではないでしょうか。  法然上人が出家されたき […]

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未来を信じ 今日を励む   2024年03月01日

 仏教用語に「精進」という言葉があります。平たく言えば「努力」と同じ意味です。生きていく限り努力することは避けて通れません。ですが、努力していると途中で目的を見失うことがあります。大切なのは「何のために」を見失わないこと […]

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日々の合掌 心の手当て   2024年02月01日

 患部に手を当てると、痛みが和らぐような気がします。私も幼い頃「お腹が痛い」と言った時、両親が手を当ててさすってくれました。手のぬくもりと安心感で不思議と痛みが和らぐ感覚になりました。  合掌はインドの敬意を表す作法から […]

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一人ひとつの 積み重ね   2024年01月01日

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。  子ども達とクイズ番組を観ていると、「お父さん、答えなに?」とすぐに聞いてくることがあります。「まだ時間あるし考えてみたら?」と言っても「えーわからん」 […]

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希望の灯 どこまでも   2023年12月01日

 浄土宗は阿弥陀仏に苦しみ多いこの世界からの救いを求めてお念仏を申します。お念仏申す私たちが次に生まれるのは極楽という世界ですが、そこに到達するにはこの世界を生き抜かなくてはなりません。そんな長いことお念仏申せない、と思 […]

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今さらでなく 今から   2023年11月02日

 コロナ禍が始まった時、ある動画がきっかけでピアノが弾けたらいいなぁと思いました。ですが、いいなぁと思っただけで動かず、保管してあった電子ピアノを処分してしまったことで、今さらもういいかとあきらめました。  年々年を重ね […]

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的が決まれば あとは射るだけ   2023年10月02日

 学生の頃、友人と電車に乗って1万円でどこまで行けるか、各駅停車ばかりの電車旅をしました。目的地がない旅は最初は楽しみでしたが、次第に途方もない電車旅に私たちは途中で疲れ、楽しむ余裕がなくなってしまいまいした。  気の向 […]

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継続とは あきらめないこと   2023年09月01日

 この文書法話を始めて、気がつけば11年目になっていました。始めたきっかけは、先輩僧侶がされていたことに感動したからです。「自分もやってみよう」と一念発起し、今に至ります。今月で129回目となりました。  先輩僧侶のおか […]

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涼しさ奏でる 鈴の音   2023年08月03日

 私は風鈴の音が好きです。夏生まれの私にとって、大好きな夏を感じられるものの一つですし、その音は爽やかにさせてくれるからです。夏の暑い盛り、爽やかな風に風鈴の音。ひとときの安らぎをもらえます。  『無量寿経(むりょうじゅ […]

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当たり前と思う あやうさ   2023年07月02日

   一昨年、左足のアキレス腱を部分断裂しました。運動はできないかもと言われていましたが、跳んだり踏ん張ったりできないものの、今は走ったりすることはできます。残念なこともありますが、走れることに喜びを感じています。  今 […]

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こころ耕す なむあみだぶつ   2023年06月01日

 お念仏をお称えし続けることで、阿弥陀仏や極楽浄土への想いは自然と育まれていきます。阿弥陀様を想うことが増え、極楽浄土に想いを巡らすことが増えるからです。  ご主人は毎日お念仏を称え、奥様は月参りの時だけお称えするご夫婦 […]

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ゆっくり休んで また動き出す   2023年05月02日

 家内には頭が上がりません。毎日、食事や洗濯、掃除と常に家の中を動いています。ですから、ほんの少ししかできませんが、色々手伝うように心がけています。少しでも家内が休息できるように。  アリの法則というのをご存知ですか?よ […]

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未来は善き縁で開かれる   2023年04月01日

仏教や浄土宗の教えを知らなかった私にとって、僧侶になることには抵抗がありました。なぜなら、死と関わらなくてはいけないからです。怖かったのと嫌だったので抵抗があったのです。 浄土宗の教えは、とにもかくにも極楽浄土という世界 […]

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一つの言葉が 励みとなる   2023年03月01日

 皆さんも実感されているかもしれませんが、言葉は力を持っています。何気ない言葉でも相手にとても大きな影響を与える場合があります。言葉は使い方しだいで、相手をおとしめることも、励みとなることもあります。  ある女性がパート […]

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今できること 少しずつ   2023年02月02日

 小学生の頃、長期休暇に入るとすぐに宿題に取り掛かっていました。間際に残っているのが嫌だったからです。ですが、1週間も経てば宿題はそっちのけでした。大人になった今でも変わりないなぁと思ってしまいます。  戦国の武将として […]

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じんわり伝わる あたたかみ   2022年11月03日

 身体が「温かいもの」や「冷たいもの」に触れると、心も同じように反応する働きが脳にはあるのだそうです。ですから、身体に温かいものにふれると心もホッと温かくなったように感じるのだそうです。つまり心を温かくするには温かいもの […]

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一声一声に 想いを託して   2022年10月01日

 ドラマを見ていますと「この人のセリフは全く入ってこないな」と思うことがあります。セリフの棒読み、いわゆる大根役者と言われる役者です。そうなりますと、どれほど感動する場面でも一気に冷めてしまいます。  私が法話を学んでい […]

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充分と思い 日々暮らす   2022年09月01日

 小学生の頃、面白そうなテレビゲームを持っていた友達と自分のゲームを交換したことがあります。交換して満足だったのですが、数日すると自分のゲームの方が面白かったなと思ったのです。替えなければよかったと後悔しました。  仏教 […]

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ひとりじゃない そばにいるよ   2022年08月01日

 7月にアメリカで世界陸上が開催されました。どんな大会でも昨年はコロナの影響で無観客だった応援席が、この大会ではたくさんの観客で埋め尽くされていました。その声援はきっと選手たちのパフォーマンスを後押ししたことでしょう。 […]

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星空の彼方にあなたを想う   2022年07月01日

 20年前に東京に行き俳優をしている友人がいます。時々「元気かな?」と思い浮かべます。わざわざ連絡を取ることはしないのですが、画面越しに彼の活躍を見ると、頑張っているのだなと元気をもらえます。自分も頑張ろうと思えるのです […]

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称えるうちに雲晴れて   2022年06月02日

 先輩にお誘いいただき本格的な布教の勉強を始めましたが、最初はあまり気が乗りませんでした。というのも、他にやりたいことがあり、そこに時間を割くことが惜しかったからです。ですが、今は布教に魅力を感じています。  最初から誰 […]

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こころの声に耳を澄まそう   2022年05月01日

 30代までの私は「短眠者」でした。寝なくても大丈夫と思い、その時間を有意義に使おうと思っていました。40代の今、寝なくては身体が悲鳴をあげます。休めと身体が反応するのです。今はしっかりと睡眠を取るようにしています。   […]

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咲いて 誇らず   2022年04月01日

 私たちは自然と他者と比べがちです。優れている、劣っている、そういう感覚を持ってしまうことがあります。しかし、仏様から見ればみんな同じ。愚かな人間なのです。その中で驕ることなく謙虚な姿勢を保つことが大切なのだと思います。 […]

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縁距離を大切に   2022年03月01日

 南無阿弥陀仏とは「極楽に導いてください阿弥陀様」と救済を願う言葉です。お念仏を称えることで、阿弥陀様がいつでもどこにいても私たちを見守ってくださるのです。それは、亡き方々も同じです。  三重県にお住いのある奥様がいらっ […]

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今こそ よく聴く よく遺す   2022年02月01日

 私は色々な話を聞くのが好きです。自分の経験したことがないことを聞くと、ついつい時間を忘れて話し込んでしまいます。言葉を多く交わすと、その人の人柄がわかってくると思っています。  宗念寺では毎月お命日の日にお参りをする「 […]

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幸せへの スタート   2022年01月01日

 幸せと感じるのはどんな時でしょうか。幸せとはそもそも何でしょうか。それは人によって違うものであり、感じ方もそれぞれなのだと思うのです。また、状況や心境によって受け取り方も変わってくるのでしょう。  アルコール依存症で暴 […]

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見上げる空に 仏のひかり   2021年12月01日

 光には、部屋全体を明るくするものから、スポットライトのようなポイントに当てるものまで色々あります。全体が明るいと周りがよく見えますし、スポットライトの光ではそのポイントがより際立ちます。  阿弥陀さまはご自身の体から光 […]

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弥陀の心に染まる   2021年11月01日

 紅葉がだんだんと始まっています。20代の頃、秋が好きではありませんでした。物寂しく感じていたからです。しかし近年は秋が好きになりました。紅葉を見ると心が和み、あの際立った朱色に強さも感じられるからです。  法然上人は一 […]

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いつも立派でなくていい   2021年10月02日

 浄土宗のみ教えは、阿弥陀様が分け隔てなく極楽にお救いくださる教えです。「お念仏を称える」という条件はありますが、お念仏を称えている人であるならば、分け隔てなくどんな方でも救ってくださるのです。  時々「私みたいなもんが […]

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称え続けて わかること   2021年09月01日

 私はお念仏を称えるとき、いつも色々な思いを巡らせます。月参りや法事などでは、その亡き方を。本堂でお勤めするときは、祖父母や極楽浄土、そして阿弥陀仏のことを。いつか会える日を思って称えています。  幼いころから、なぜか死 […]

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再会に心弾ませて   2021年08月01日

 昔は連絡をとる手段といえば手紙でしたが、電話が普及しメールができるようになり、今ではビデオ通話もできます。たとえ画面越しでも、普段会えない方と会えて話をすることは嬉しいものです。  以前、お檀家さんが「この前東京にいっ […]

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どうなるか より どうするか   2021年07月02日

 私が今夢中になっている、高校生が東大を目指すドラマがあります。そこで教師が「どうなるかよりどうするかだ。自分の人生の道は自分で作れ」と伝えていました。とても素晴らしい言葉だと思いました。  人生に確実なものなどありませ […]

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善きことは ゆっくり動く   2021年06月01日

 先代は達筆でお檀家さんからいつもお褒めの言葉を頂きます。その先代に少しでも近づきたい一心で、先代の字をお手本にして筆を持っています。筆慣れはしましたが先代にはほど遠いです。早く上達したいと思っていても、成果はまだまだ先 […]

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立ち止まって 深呼吸   2021年06月01日

 気分転換の方法は人それぞれ違います。皆さんは何かその方法はおありでしょうか。その方法は、時には時間がかかったり場所を変えたりするかもしれません。深呼吸はその点において、いつでもどこでもできる易しい気分転換の方法ではない […]

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そっと手を貸す思いやり   2021年04月30日

 思いやりにふれられた時心が温まります。私には忘れられない思い出があります。未熟だった私にとって、とても有難く心が温まる「思いやり」を先輩から頂いたのです。それからは、私も後輩たちにできるよう努めています。  私が22歳 […]

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ひたすらにまっすぐに   2021年04月30日

 集中すると一つのことに私は取り組めますが、その前段階では目移りや雑念が入り、あちらこちらと心変わりをしてしまいます。ですから、集中するまでに時間がかかってしまうのです。皆さんはいかがでしょうか。  浄土宗の開祖法然上人 […]

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羽ばたく備え 怠りなく   2021年02月28日

 長男は今受験勉強に励んでいます。自分が行きたい高校を目指して、受かるために勉強しています。時には気分転換で遊んだり、クラブに顔を出したりしていましたが、今月から試験があるため、それも止めています。  浄土宗信者の私たち […]

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誓い新たにはじめよう   2021年01月31日

一年の計は元旦にありと言います。私にとっての一年も目標を立てることから始まっています。今年の目標は「知識を広げる」です。まだまだ無知な私です。色々な本を読んだり体験したりできればと考えています。 あらゆる仏様方は、仏に成 […]

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信頼はかたちのない財産   2020年12月31日

 「口は災いの元」と言いますが、仏教には言葉で犯してしまう罪があります。他人を誑かすこと、仲のいい関係を二枚舌で仲違いさせること、他人を罵って悩ませること、心にもない言葉を並べることです。これらは全て仏教では罪だというの […]

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ちょっと不便でちょうどいい   2020年12月01日

 私の携帯はスマートフォンです。電話やメール以外に地図やインターネットを見ることができるので、ちょっとした調べ物に役立っています。しかし、その他多くの機能は使いこなせていません。最低限の機能さえあれば、充分なのにと思いま […]

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実りを いただくしあわせ   2020年10月31日

 子どもの頃、外食をするとあれもこれも食べたいとなりました。両親からは「まず食べられる分を頼みなさい。それからだ」と言われました。結局食べられないのですが…。今では、私が子ども達に伝えています。  ある男が金の 卵を一日 […]

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あまねくわたる 仏のこころ   2020年09月30日

 ダイエットしなければ、と思いながら3カ月が経ちます。時々自分を意志の弱い人間だな、と思います。簡単なこともすぐに諦めてしまう所があるからです。自分の決意を全うできる方は心から尊敬します。  はるか昔、ある国の国王がいま […]

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みんなに会える夏   2020年09月01日

 このコロナ禍で、会いたい人となかなか会えない状況となってしまいました。特に8月は長期休暇の時期。いつもならば、ご実家に帰省される方々も多いでしょう。しかしながら、今年はいったいどうなることやら…。  浄土宗の根本経典の […]

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人の輪が 人の和に   2020年07月31日

 元NHKキャスター池上彰氏はご自身の著書で「知らない、わからないから不安になる」と書かれています。「視聴者にわかるように丁寧に話すことが大切だ」とも書かれていました。確かに、知らない、わからないことがあれば不安になりま […]

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たまには 心も雨やどり   2020年06月30日

 忙しい毎日を過ごすと時間が気になります。もうこんな時間か、と心が急かされます。次から次へとやらなければいけないことが押し寄せてきます。毎日が「やらなければいけないこと」と「時間」との格闘ではないでしょうか。  結婚して […]

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声はげまし もう一歩   2020年05月31日

 私が学生の頃、マラソン大会がありました。マラソン嫌いの私には苦痛でした。そんな時、友達が「あともう少し頑張ろうや」と言ってくれたのです。そして、その友達と一緒にゴールしました。  私たち僧侶が集まり、ひと時の時間お念仏 […]

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咲いて散って また咲く準備   2020年04月30日

 毎年春になると、桜の花を愛でる方が多いと思います。私もその一人です。ですが、咲いている花よりも、桜吹雪に目がいくようになってきました。風に舞って散っていく花びらは、風情があり、儚さを感じるからです。  江戸時代の僧侶、 […]

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心は同じ 花のうてなぞ   2020年04月01日

 私が初めてデートしたのは14歳でした。当時は携帯電話などありませんから、約束は事前にして、当日は待ち合わせ場所に向かうだけです。待ち合わせ場所で彼女を見たとき、嬉しさと気恥ずかしさと安心感でいっぱいでした。  共にお念 […]

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よく聞き考え 自分のものに   2020年02月29日

 私は整理整頓が苦手です。わかっているのについ疎かになってしまいます。妻に「片付けや」と言われるのですが、「わかっている」と反発します。しかし、探し物が出た時「あぁ片付けなければ」と妻の言葉を反芻するのです。  私たち浄 […]

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「おはよう」笑顔かがやく   2020年01月31日

 新年を迎えました。今年もよろしくお願い申し上げます。  浄土宗の修行は南無阿弥陀仏のお念仏をお称えすることです。いつでもどこでも誰でも容易に実践できる修行です。浄土宗ではこれが全てなのですが、浄土宗の経典には色々と仏道 […]

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ここにいるよあなたを想っている   2019年08月03日

 寝室から「ドスン」と音がしたので行ってみると、娘が逆立ちの練習をしていました。私はそばでそっと見ていました。娘は私に気づき、一層練習に励みました。人は気にかけてくれる存在がいると、心強くなれるものではないでしょうか。 […]

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善き行いに善き心   2019年07月01日

 最近人に道を尋ねたり聞かれたりすることが減りました。スマホが普及したからです。でも時折、外国人観光客から聞かれます。つたない英語で私が教えると「サンキュー、アリガトウ」笑顔で言ってくれます。  善い行いをしても、それが […]

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ひとつひとついのち輝く   2019年06月04日

 最近長男が反抗期を迎えています。何か私が言うたびに鬱陶しそうな顔をします。そのたびに少しイラっとするのですが、私もそうだったと飲み込みます。私の感情に任せて抑え込むのは親の傲慢さとも思いますので。  この地球上に75億 […]

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少欲知足   2019年05月02日

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新たな出会い よき縁(えにし)に   2019年04月02日

 出会いは、人だけでなく物や教えもあります。例えば、とても書きやすいペンを手に入れたり、本を読んでいて忘れられない言葉を見つけたり。どんなことでも、良い出会いに巡り合えば、私たちはそれを大切にすると思います。  法然上人 […]

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寒さ越え山笑うころ春彼岸   2019年03月01日

 冬の景色と違い、春の景色はホッと安心します。緑が生い茂り、色鮮やかな花が咲き、蝶が飛び交う。そんな色鮮やかで躍動感に溢れている春は、私にとって毎年待ち焦がれる季節です。  私は寒さが苦手です。年を重ねるにつれ辛さが増し […]

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水に源あり 樹に根あり   2019年02月01日

 阿弥陀さまは、極楽浄土に生れた者に「過去世(かこせ)を知る能力を得て、計り知れないほどの遠い過去のことを知ることができる」ようにしてくださいます。これを「宿命智通願(しゅくみょうちつうがん)」と言います。  仏教では、 […]

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お念仏からはじまる幸せ   2019年01月01日

 新年を迎えました。今年もよろしくお願い申し上げます。 昨年も色々とありましたが、今年は明るい年になってほしいと切に願います。皆が、明るく・正しく・仲良く過ごせられるように。  浄土宗は日々お念仏を申すことをお勧めします […]

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南無阿弥陀仏 いまを生きる   2018年12月03日

 祖父がお寺で臨終を迎えるころ、父が枕元でお念仏をお称えしました。13歳だった私は、「おじいちゃんはまだ死んでない」と心で猛反発していました。十年の時を経て、阿弥陀さまに導いて頂くためだったと知りました。  「悪いことし […]

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ぬくもりに やすらぐ   2018年11月03日

 寒さが増してきますと、お布団の温もりやお茶の温かさに癒されます。暖を取ることは身も心もほぐして穏やかにしてくれます。そして、人の優しさという温もりにもやすらぎを感じることでしょう。  年齢が上がり長年の経験もあって、役 […]

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曇り夜も 月は輝いている   2018年10月01日

 カゴメの「野菜生活」という飲み物があります。これは紙パックなのですが、その上の部分を開けてみると、「たたんでくれてありがとう」と書いてあります。これを友人と見つけた時は、二人で笑顔になりました。  トイレのスリッパがズ […]

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あの人の恩 ありし日を思う   2018年09月01日

 私は僧侶になり17年が経ちます。これまでたくさんの方々を見送ってきました。その方々は、私を幼少の頃から知ってくださっている方、僧侶になってからお世話になった方もいらっしゃいます。  お茶の先生をなさっておられた奥さまが […]

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極楽浄土に思いを馳せる   2018年08月01日

 日本各地で猛暑が続いております。「来年になったらもっと暑いのではないか」と20年前、笑い話だったのが笑えない状況になってきました。この暑さどれほどまでになっていくのか心配です。  浄土宗が目指す場所は極楽浄土です。極め […]

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俱会一処   2018年07月01日

 俱会一処(くえいっしょ)とは、一つの処で俱(とも)に会い集うという意味です。この一つの処とは、極楽浄土を指します。これは「仏説阿弥陀経」という浄土宗の根本経典に出てくる言葉です。極楽浄土でみんなと会い集うことができるの […]

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人柄はその一言にあらわれる   2018年06月02日

 息子の中学生初めてのテスト結果を見ました。すると、学年での国語の平均点が、他の教科に比べて圧倒的に低かったのです。英語と比べるとその差は20点以上の差です。日本語を扱う日本人が英語よりも低いことに驚きました。  言葉に […]

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心の弦   2018年05月01日

 弦楽器の弦を強く張ると簡単に切れてしまいます。逆にゆる過ぎると音は響きません。調弦を初心者が行うときは、専用のチューナーを使うと正しく調弦できるそうです。チューナーの無い心の調弦、難しいですね。  仏教の原点は、苦しみ […]

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天上天下唯我独尊   2018年04月01日

 ルンビニという花園で、2500年ほど前お釈迦さまは誕生されました。色とりどりの花に囲まれて生誕されたのです。4月8日はお釈迦さまの誕生日。誕生時に、「天上天下唯我独尊」と言われたという伝説があります。  毎年夏に子供た […]

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歩みのはやさ それぞれ   2018年03月02日

 先日、写経会がありました。1時間の限られた時間、早くに終えられる方がたくさんいらっしゃいましたが、そんな中、あせらずご自身のペースでゆっくりと書かれた方もいらっしゃいました。「良かった、全部書けて」笑顔で仰いました。 […]

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やさしい言葉を贈ろう   2018年02月02日

 幼い頃、私が何か悩んでいると母から「大丈夫、アンタは頑張れる子やから」と笑顔で言われていました。その言葉で気持ちが落ち着き「頑張ろう」という気持ちになれたのを覚えています。心のこもった言葉でした。  「元気にしているか […]

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願うこころは道をつくる   2018年01月01日

 本年もよろしくお願いいたします。 自分ではどうしようもないとき、願わずにはおれません。神仏におすがりすること、決して恥ずかしいことではないのです。  1212年1月25日お昼ごろ、法然上人は80歳の生涯を閉じられました […]

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無常を告げる落ち葉かな   2017年11月01日

 無常と聞くと、事態が悪く変化することを連想しがちですが、良い方向へと変化することも無常なのです。無常とは、常に変化すること、同じ状態であり続けることが無い事を言います。現に私たちは身も心も成長しここまできました。  私 […]

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苦労してまるくなる人とがる人   2017年10月01日

 「若い時の苦労は買ってでもせよ」とありますが、できるなら苦労はしたくないものです。穏やかにいきたい、そう思いませんか?けれども、大なり小なり誰にでも苦労はあると思います。  私は最高で14の団体に所属していたことがあり […]

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ほとけの光わけへだてなく   2017年09月01日

 今月は、秋のお彼岸がある月です。彼岸とは時季を表す言葉ではありません。場所を表す言葉です。その場所は極楽浄土です。私たちを救う場所として阿弥陀さまがお創りくださった安楽しかない世界です。  先日行われた世界陸上では「人 […]

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日々精進   2017年08月01日

 お盆には帰省される方も多いでしょう。離れ離れに住んでいるからこそ、このお盆の帰省は何より楽しいものにしたいはずです。のんびり過ごすもよし、久しぶりの友達にあうもよし。皆さんそれぞれのお過ごし方があると思います。  極楽 […]

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悩みの種から花が咲く   2017年07月01日

 「失敗は成功のもと」と言いますが、誰でも最初から上手くいくわけではありません。失敗を重ねるうちに、同じ失敗をしないように工夫もするでしょう。それが実を結ぶ時がやってきます。そうして成功へと繋がっていくのです。  私たち […]

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陽のひかり   2017年06月01日

 空一面に雲が覆うと、子供の頃は、「太陽が出ていない」と思っていました。ですが、太陽が出ない日はありません。どんな時でも、太陽は登り、沈んでいくのです。それを雲が隠してしまっているだけなのですね。  「みんな違ってみんな […]

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やる気本気根気   2017年05月01日

 5月になりました。新しい環境になられた方は、少しずつその環境に慣れてこられたでしょうか。徐々に慣れてくると、また新しいことに挑戦したくなる気持ちが出てくるのではないでしょうか。特に、新入生や新入社員の方はやる気を持って […]

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こだわり捨てて心のびやか   2017年04月03日

 こだわりの意味が「追求する」という意味で使われることが多いですが、「必要以上に気にする、気がとらわれる」という意味が本来あります。  法事を勤めるにあたり「お供え物はどうしたらいいですか?」と聞かれることがあります。特 […]

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決して忘れない   2017年03月02日

 子供の頃、ヒーローに憧れていました。手から衝撃波を放ち、空中を自在に飛び、そして、瞬間移動もできる。そうして、地球の平和を守るため悪と戦う。そんなヒーローが大好きでした。  お連れ合いを亡くされた奥さまが、「いつも主人 […]

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ためらわずに   2017年02月01日

 阿弥陀さまがご修行時代「善行」を積まれました。それは限りなく長い修行生活で、果てしなく長い難行を重ねてくださいました。それは私たちを救いたいというお気持ちでためらいなどは無かったのです。  高校生の時、通学は電車でした […]

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今年こそ   2017年01月01日

 あけましておめでとうございます。  本年もよろしくお願い申し上げます。今年も毎月書いていきますので、読んでいただければ幸いです。  昨年の私の目標は「月3冊の本を読む」と決めましたが、結局26冊しか読めませんでした。最 […]

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12月   2016年12月01日

 今年、両膝が半月板損傷になりました。走る・しゃがむ、当たり前の行動がしにくくなりました。「筋力がつけばできるようになる」先生の言葉を信じ、治療に励んでいます。  突然、環境が今までと一変してしまう。誰にでも起こりうるこ […]

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少欲知足   2016年11月01日

 携帯電話の機能が驚くほど進んでいます。もう今は電話をするだけが携帯ではありません。私は買い換えの時、「以前より機能が増えている」と思い換えましたが、実際は、多くの機能を使っていません。どうやら私には不要の機能でした。 […]

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拝む姿 みな尊し   2016年09月01日

 16年前までの私は、家族の言葉を聞かず、勝手気ままに過ごす日々。しかし、突然の父の事故と入院で、お寺を任された大学生の私は、己の無力さを知り、家族や親戚の支えがあるのを気づかされました。  お釈迦さまは、「世間の人々は […]

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供養となる   2016年08月01日

 極楽に生まれられますと、誰でも「天耳智通」(てんにちつう)といって、はるか遠くの人の声を聞くことができる力が備わります。この世で私たちが、色んな話をすると、その声を聞いてくださるのです。  私の祖母は、優しい人でしたが […]

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不思議な縁(えにし)に導かれ   2016年07月01日

 以前番組で、四葉のクローバーを簡単に見つけられる女の子が取り上げられていました。公園で、他の子供たちと探してみても、その女の子だけは四葉をいくつも見つけるのです。私たちには想像できない何かがあるのでしょう。  他力(た […]

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和顔愛語   2016年06月01日

 小さいお子さんが、笑顔を見せてくれると、こちらもにっこり微笑んでしまいます。一瞬にして、自分の心が明るくなります。本当に、「微笑は最良のおくりもの」だと実感する瞬間です。  微笑みは、相手の心を明るくするのと同時に、自 […]

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できるかぎり   2016年04月01日

 新たな出発を迎える月です。引越し・入学・入社・退社、環境が変わる人も多いでしょう。私の娘も小学生になります。環境が変わり、戸惑うことが多いでしょうが、少しずつ慣れていって欲しいです。  私も環境が変わると、その事で頭が […]

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ありがとう   2016年03月02日

 生まれて間もない私と祖父の写真です。私の大好きな写真です。祖父は、無口な人でした。ですから、あまり会話の記憶がありませんが、妹と喧嘩をした時の「うるさい」と怒鳴られた記憶は覚えています。私にとって祖父は「無口で怖いおじ […]

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くじけずに   2016年02月01日

 92歳で詩作された柴田トヨさんの「くじけないで」という詩に、 『陽射しやそよ風はえこひいきしない 夢は平等に見られるのよ』 という一節があります。自分が不幸だと溜息をつかないで、私も辛いことがあったけれど生きていてよか […]

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新年   2016年01月01日

 本年もよろしくお願いします。  今年で私も38歳になります。月日はあっと言う間に過ぎます。諸行無常と申しますが、あらゆるものは変化し生滅して、移り変わりをするものです。我々の環境も変わるのは当然です。  無常がゆえに、 […]

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前・現・後   2015年12月01日

 言葉・匂い・風景などによって、忘れていた記憶が一瞬で甦るというこはないでしょうか。その時の情景がはっきり思い出される。私はそんな事が時折あります。  昨日・今日・明日とあるように、我々の生涯も、前世・現世・後世がありま […]

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