心は同じ 花のうてなぞ  2020年04月01日

 私が初めてデートしたのは14歳でした。当時は携帯電話などありませんから、約束は事前にして、当日は待ち合わせ場所に向かうだけです。待ち合わせ場所で彼女を見たとき、嬉しさと気恥ずかしさと安心感でいっぱいでした。

 共にお念仏をお称えする者同士を「同行人(どうぎょうにん)」と言います。お互いに「同」じく極楽浄土に生まれることを願ってお念仏の「行」をする「人」だからです。共に極楽浄土を願ってお念仏を称えれば、共に極楽浄土に生まれられるのです。極楽浄土では、まず大きな蓮のつぼみの中に生まれます。そしてそのつぼみが開いた時から極楽浄土での生活が始まるのです。そこでは、先立たれた愛しい方と再会できるのです。また、後からやってくる大切な方々とも再会できます。「久しぶり」「元気だった?」「待っていたよ」と再会を喜びあい、積もる話に花を咲かせることでしょう。そして、その再会は二度と離れ離れになることはないのです。それを可能にしてくれるのが、阿弥陀様です。南無阿弥陀仏と称える者を必ず極楽浄土に導いてくださるのです。同行人であるなら、言うなれば、極楽浄土は再会の場所であり、南無阿弥陀仏は再会を約束する言葉になるのです。

 二度と別れの来ない場所、極楽浄土。ぜひ皆さんと同行人となって、極楽浄土で再会したいものです。待ち合わせ場所で再会できることは何事にも代えがたい喜びではないでしょうか。極楽での再会を楽しみにしています。

合掌