称えるうちに雲晴れて  2022年06月02日

 先輩にお誘いいただき本格的な布教の勉強を始めましたが、最初はあまり気が乗りませんでした。というのも、他にやりたいことがあり、そこに時間を割くことが惜しかったからです。ですが、今は布教に魅力を感じています。

 最初から誰もが信仰心を持っているわけではありません。きっかけがあって、信仰心が生まれてくるのだと思っています。また、信仰心が生まれたからといって、すぐに熱心になれるものでもありません。徐々に私たちの心に信仰が芽生えてくるのだと思っていますし、芽生えたとしても「死んだらどうなるのか?」「極楽は本当にあるのか?」こんな疑問や不安をお持ちになることもあるでしょう。そんな時は、あえてお念仏のある生活に身をおいてみてはいかがでしょうか。お仏壇の前やお墓の前でお念仏をお称えします。時間が無ければ、歩いているとき、掃除しているときなどのちょっとした時間にお称えするのもいいでしょう。私のおすすめは、お風呂に入っているときです。ゆっくり湯舟に浸かっているときお称えします。お念仏の生活の中に自分の身を置いたとき、極楽は本当にあるのか?という先の見えない不安や疑問が少しずつ晴れてくると思います。

 布教の道に入って十数年が経ちました。当初あまり乗り気でなかった私は、今ではご縁をいただいた方々に仏教や浄土宗についてお話をさせていただいています。私も含めて信仰心が芽生えて育んでいけるきっかけになればという思いで。