日々の合掌 心の手当て  2024年02月01日

 患部に手を当てると、痛みが和らぐような気がします。私も幼い頃「お腹が痛い」と言った時、両親が手を当ててさすってくれました。手のぬくもりと安心感で不思議と痛みが和らぐ感覚になりました。

 合掌はインドの敬意を表す作法から来ています。インドでは右手を清浄、左手を不浄とする習慣があります。そこから仏教では、右手は仏さまを表し、左手は自分を表すようになりました。合掌は、両手をピタッと重ねることで仏さまと私とのつながりを感じられるお作法なのです。この「掌」という字には「たなごころ」という読み方があります。つまり、手の中に心があるという意味です。右手で仏さまの心、左手で私の心を重ね合わせることでつながりを感じられるのです。また、この合掌の相手は仏さまだけではありません。大切な亡き方とも合掌することで心を重ね合わせられるのです。今はもう会えない亡き方。その方を思い浮かべながら、合掌すれば心のつながりを感じられるでしょう。感じられると同時に、私の心も少しずつ少しずつ和らいでいくのだと思います。心と心を実際にピタッとくっつけることはできませんが、合掌をすることでその思いはつながるのです。まさに、合掌は心の手当てなのだと思います。

 月参りや法事を勤めた後、和やかな表情をされる方がいらっしゃいます。そんな時は、心が少し和らいだのかな?思いを伝えられたのかな?と思います。自然と私もうれしくなるのです。

合掌