声はげまし もう一歩  2020年05月31日

 私が学生の頃、マラソン大会がありました。マラソン嫌いの私には苦痛でした。そんな時、友達が「あともう少し頑張ろうや」と言ってくれたのです。そして、その友達と一緒にゴールしました。

 私たち僧侶が集まり、ひと時の時間お念仏を一緒にお称えする機会があります。私はこの機会がとても好きです。たくさんの仲間からお念仏を称える声が聞こえてきます。その声に「一人ではないよ」と励まされている気がするからです。この気持ちは、お檀家さん方と一緒にお念仏を称える時も同じく感じます。僧侶であれ、お檀家さんとであれ、共にお念仏をお称えしますと、一緒に極楽浄土を目指す仲間だと嬉しく感じるのです。普段お念仏は一人でお称えしても、みんなと一緒にお称えしてもかまいませんが、法然上人は「時々特別な時間を設けて、お念仏をお称えしなさい」とお示しくださっています。それは、毎日の忙しさや慣れによって、お念仏から遠ざかっていくからです。だからこそ、自分の気持ちを落ち着かせ、特別な時間を作り、お念仏をお称えする。そうすることで、心身ともに奮い立たせ、明日からのお念仏の活力となり生きる活力にもなっていくのだと思います。

 今困難に見舞われています。一刻も早い終息を迎えるには、一人では太刀打ちできません。皆が一つの目標に向かって、お互いを励ましあっていきたいものです。また、もう一歩先の極楽浄土というゴールを見据えて共にお念仏に励みたいものです。
合掌