善き行いに善き心  2019年07月01日

 最近人に道を尋ねたり聞かれたりすることが減りました。スマホが普及したからです。でも時折、外国人観光客から聞かれます。つたない英語で私が教えると「サンキュー、アリガトウ」笑顔で言ってくれます。

 善い行いをしても、それが善い行いかどうかは実際わかりません。「余計なお世話だったかな」、「間違っていたかな」と不安になりませんか。ですが、笑顔で「ありがとう」と添えられたらどうでしょう。「良かった」と心は晴れ晴れとするのではないでしょうか。決して見返りを期待しているわけではないですが「ありがとう」の言葉があるのとないのとでは大違いだと思うのです。見返りを求めてはいけないと言われますが、たった5文字の「ありがとう」の言葉で、私たちの心は互いに晴れ晴れとなり、また次の善い行いに続くことでしょう。
 浄土宗における善い行いはお念仏をお称えすることです。阿弥陀さまは、私たちを救う世界「極楽浄土」を建立してくださいました。そこに生まれたいがために、お念仏をお称えするのです。言うなれば極楽浄土に生まれられるという見返りを期待しているのです。浄土宗では、極楽浄土を目指す心が善い心とされています。大いに見返りを期待してお念仏を称えましょう。

 最初は半信半疑かもしれませんが、お念仏をお称えすることで、阿弥陀さまのお気持ちと極楽浄土の存在を確信でき、極楽浄土を目指す心が養われます。そうなると、更にお念仏に励むことができるのです。

合掌