今月は七夕です。次男が小学3年生の頃、短冊に「みんなが極楽に生まれますように」と書いたことがありました。その言葉に、私は驚きと嬉しさで胸がいっぱいになったのを覚えています。4年生になったら忘れていましたが。
命の尊さは、誰もが知っているはずです。それでも、現実には命があまりにも簡単に奪われてしまうことがあります。「罪を犯した人間も再出発できる世の中を」といった言葉を耳にすることもありますが、実際にはその罪を許してもらえる社会ではありません。この世は不平等であり、不公平です。すべての人が同じように平和で幸せに暮らせるわけではありません。それでも、私たちは「今」を生き抜いていかねばならないのです。もし「次の世」でも、今と同じような環境だったらどうでしょう。あるいは、今よりもさらに劣悪な環境だったら…。そう思うと、次こそは平和で幸せに暮らしたいと願わずにはいられません。お経には、「極楽浄土」は平和で幸せに暮らせる世界であると説かれています。お念仏「南無阿弥陀仏」を称え続けることで、極楽往生は叶うのです。阿弥陀仏は、お念仏を称える私たちを見守り、導き、極楽へと救ってくださるのです。
不平等で不公平なこの世の中であっても、幸せを感じられる瞬間はたくさんあります。ただ、それは永遠ではありません。極楽浄土は、永遠に幸せを得られる世界です。そしてそれは、自分一人だけでなく、極楽往生したすべての人が得られるのです。
合掌