願共往生  2015年08月07日

 法然上人が師と仰ぐ中国の善導大師(ぜんどうだいし)のお言葉に、「願共諸衆生(がんぐしょしゅじょう)往生安楽国(おうじょうあんらくこく)」という一節があります。これは、「私の願いは、諸々の人々と共に、阿弥陀さまの極楽に往き生まれることです」という意味です。自分だけが救われれば良いと望むのではなく、多くの方と共々に極楽に救われることを願うのです。

 我々仏教徒の最終目標は、成仏させて頂くことです。阿弥陀さまのお傍で仏と成らさせて頂けるのです。我々はそのために極楽に生まれることを目指すのです。
 阿弥陀さまは、「極楽へ生まれることを願い、我が名を称える者を必ず救う」と仰っています。100人称えれば100人救われるのです。身近な方と共にお称えすれば、我々も身近な方もやがて極楽に生まれられるのです。極楽は、必ず仏に成れる世界として阿弥陀さまが創られた世界です。そこで、我々は成仏を目指すのです。ご先祖さまも成仏を目指しておられます。
 ご先祖さまと共に生きるとは、共に成仏できるように、共に極楽に生まれるためにお念仏をお称えして生きる、ということだと思います。

 ご先祖さまから受け継がれたお念仏は、供養のためのお念仏だけではないのです。共に極楽に生まれ共に成仏を目指すお念仏なのです。関西は8月にお盆を迎えます。お帰りいただいていますご先祖さまと共々に、普段にも増して成仏を目指してお念仏を称えて参りましょう。